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Whitestone Galleryにて:円の中にある懐かしさと包容力

  • 執筆者の写真: Maki Ikehata
    Maki Ikehata
  • 2024年12月21日
  • 読了時間: 2分

更新日:1月23日

 サイマルの後、東京駅に向かう途中でWhitestoneへ。良い意味で最近のアートから受けた刺激が強く常に緊張状態にあったこともあり、一時的ではあっても無意識に心の落ち着きを求めていた。無論、その刺激というのは優れた作品であるからこそ受けたものであり、作品を目にするにあたっては日常のルーティンを送っているだけでは得られない緊張感があった。


 WhiteStoneは今日も静かであった。草間彌生のフロアで一組のお客さんと一緒だった以外は、常に静寂が共にあり、自分の足音と鼓動しか聞こえない。どのギャラリーにも言えることだが常に適温に保たれていて、ここには陽だまりも冷気も届かず、その心地よさが無音でささやいているように感じる。


 ここで足を止めるのは名坂有子の無題作品だ。水色とオレンジの色彩が見せてくれる景色は、後になって思い出すと夕暮れの空だったり海だったり。それは記憶にあるいつか見た景色であり、どこか懐かしさを誘う。円をベースに伝わるストーリーには、無限の可能性を思わせる。先日別の場所で目を奪われた作品も、テーマとしては「目力」あるいは「宇宙」であったものの、作品のベースは円だった。円は、始まりも終わりもない形。そのためか、時間と生命、宇宙の無限を感じるのだろう。そして円に包み込まれるような優しさも垣間見える。

 

 見る時の状態によって、思いもしなかった感情を引き出してくれる。次に見る時には私は何を感じるのだろうか。

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