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アートに問い、アートに問われ

  • 執筆者の写真: Maki Ikehata
    Maki Ikehata
  • 2024年11月30日
  • 読了時間: 2分

更新日:1月29日

 

 12月に差し掛かろうとしている頃、20年前の「アートと自然」に対する問いの答えが思いがけない時に、しかしあらかじめ私を待っていたかのように目の前に文字として現れ、それは本当に短期間の間の出来事だったので、答えを美しく整えて目の前に用意してくれた人というのは今となっては実在しなかったのではないかという錯覚さえ覚えた。アートは自然と対立するものでなければ、内包とも異なる。共存が正解だった。答えを急に目の前に用意してくれたのは、その問いはいつまでも時間をかけて考えるものではなく、見ていなかっただけですでに答えは存在しているのだから、ここでいつまでも立ち止まらずに次への課題へと進むことを教えてくれたからだった。アートが人生へどのようにかかわるか。その問いに対する答えは急ぐ必要はなく、自身でこれからアートの要素を集めながら形作っていくもの。職業としての芸術家ではない自分が、社会と関わる中で、すべての人がより良く生きるためにアートとのつながりを生かす方法を探し、共有したいと思った。


 これまでは、アートを目の前にして、自分の感性がどのように反応するのか、何を美しいと感じ、何に心を奪われるのかを知る、作品と客観的な自分との対話の時間だった。しかし、気づけば今では、アートを見つめているのは客観視する別の自分ではなく、あくまで自分自身の目であり、そのアートが自分に問いかける様々な問いに対し、その場その場で答えを探し出し、体内で同化しようとしているように感じる。 アートが投げかける問いに向き合い、その答えを探し続ける姿勢は、おそらく生涯を通じて追求してゆく「人生におけるアートの役割」を形作る確かな道標となるのだろう。




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