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異国で感じた光と安らぎ

  • 執筆者の写真: Maki Ikehata
    Maki Ikehata
  • 2024年11月25日
  • 読了時間: 2分

更新日:1月23日

 

 ロサンゼルスにて


 2024年11月20日から23日はロサンゼルスに滞在していた。 

 仕事以外の自由時間を、普段とは全く違う環境で過ごせる機会。初めて訪れる場所、初めて会う人、何度も来た場所、久し振りに再会する人、いつもの自分だけどいつもと違って見える自分。東京で見た同じ絵をロサンゼルスで見るという体験。普段過ごしている日本を離れただけで、自分だけがまた別の時間の流れの中にいるような気さえした。 


 空気が違った。湿度や温度、匂いすら日によって異なる。とりわけロサンゼルスで見る青空は、太平洋の深みを映し出したかのように澄み渡っている(*注1)。そして黄金のように眩しい太陽。夜、たとえ悩みながら眠りについたとしても、朝が来て、その太陽の光を受けた瞬間に心の霞が吹き払われた。 


 日本にいる時と違い、ここでは一切の不安が無かった。何がそうさせたのか。  

 日本に手を振った太陽が、時空の旅を経てロサンゼルスの空に再び顔を覗かせる。ここで見たのは、昨日の光が今日の光となり、夜の闇を越えて、新たな朝を紡いでいるという事象。同じ場所にいれば当たり前の事象が、離れた大陸に身を置いただけで、光の再会をこんなにも特別なものに変えた。胸を締め付ける不安が、光に照らされて溶けていく。目を閉じると瞼に太陽の温かさを感じる。 

 それはつまり、今日どれだけの悲しみがあったとしても、少しの光さえ見つけられれば、少しの光さえ消さずにいれば、それはまた明日を照らしてくれるということ。小さくても、光は無限に広がる。 

 日本に帰っても、この感覚は忘れないでいられるだろうか。忘れないでいたい。


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*1) ロサンゼルスは東京と比較して大気汚染指数(AQI)が高く、光化学スモッグは問題となっている。しかしながらロサンゼルスの気候の特徴として、晴天の日が多く、太陽光が強い。11月も例外ではなかった。そのため、強い日差しが大気分子に散乱されることで、青空がより鮮やかに見えるものと考える。




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