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神保町のアートと猫 2 - 獅子倉シンジ展【さくらねこ】

  • 執筆者の写真: Maki Ikehata
    Maki Ikehata
  • 2024年8月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:1月23日

若干緊張しながら階段を上がり、3階「文房堂GalleryCafe」へ。

 

入り口で迎えてくれるSAKURA CUTのネコ。

その瞬間はまだ理解していなかったが、ここで目にするのはただかわいいネコの絵というだけではなかった。


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アーティスト獅子倉シンジ氏ご本人のネコを描いているようだ。

ネコを描く曲線が愛情に満ちている。ネコのちょっとした仕草や表情を捉えている。

ネコと暮らして長いのだろう。


しかしそれだけではない。黒の曲線あるいは単色で描かれたネコの目も、近づいて静止して見てみれば、輝きがあり、奥行きがある。そこにはネコへの愛情はもちろんながら、未知の世界へ向かって創造するアーティストの決心が、自分の視線の奥に見ることができる。絵から離れても、描かれたネコの目に様々な色彩があったかのような余韻さえ感じる。

 

もう少し見ていたかったが、次の予定があったので今日はこの場を去ることに。

次の展覧会で、もう少し時間をかけることができれば、一つ一つをもっと心で感じるまで見ていたい。

 

自分は芸術家ではない。しかし、生きている以上様々なアートに接することは必然である。接することで、豊かに生きられること、時には救われること、生きるよりどころを見つけるヒントを与えてくれることがある。私は様々な場面でその恩恵を受けてきた。作る側として、我々にアートを提供してくれる芸術家を私は尊敬している。特に24歳でカナダに行った時から、アートが人生にもたらす意味を考え続けていた。答えが出なかった。20年以上が経過し、また答えを探す旅が始まったのか、あるいは答えに近づくことができるような、そんな偶然がやって来ている気がした。しかし答えを見つけたら、その先は?その時にまた考えればいい。



 この衝撃ともいえるようなアートとの出会いの意味を考えつつ、時間を気にしながら、何件もある古本屋で少し足を止めてみる。

 

「ニーチェ」。幼少のころから身近に本があった。

今日まで離れたくても離れられない、つきまとうように行く先々にニーチェがあった。

ニーチェの芸術観。そして言語、音楽に本当に限界があるのかという疑問。

自分の中で、納得のいく答えはこれから見つかるのかもしれない。


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